<労働基準>
●労働基準法等の見直しに向けて労政審で議論再開
 厚生労働省は9月 16 日、労働政策審議会労働条件分科会を開き、労働基準法等の改正に向けた審議を再開しました。主な論点となるのは労使で意見が分かれる裁量労働制の対象拡大、1年単位の変形労働制の見直しなどのほか、勤務間インターバル制度、連続勤務規制、つながらない権利、副業・兼業、テレワーク、フレックスタイム制、過半数代表者等、法定休日、年次有給休暇などです。裁量労働制に関しては実態調査を行い、令和6年度に施行された制度改正を含め、現行の裁量労働制に実態などを把握します。1年単位の変形労働時間制は、労働者の予見可能性の確保に留意しながら、予期しなかった事情にも柔軟に対応できるよう見直しを検討します。
 
●労災保険暫定任意適用事業廃止は令和 13 年4月施行
 厚生労働省の労政い審労働条件分科会労災保険部会は9月 29 日、労災保険法等の一部を改正する法律に盛り込まれた暫定任意適用事業の廃止の施行期日について、令和 13 年4月1日とする政令案を答申しました。労災保険は原則、労働者を使用する全ての事業に適用されますが、当分の間の暫定措置として、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部は任意適用となっていました。農林水産省によると、農業では最大で約 14 万件が適用事業の対象となる見込みです。同じく林業は約 1,000 件、水産業(漁業)は約 1.8 万件が適用事業となり得るといわれています。
 
●令和8年度最低賃金は全都道府県で年内発効へ
 令和8年度の最低賃金が 10 月1日、北海道、宮城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、岐阜、愛知、三重、大阪、兵庫、香川の 15 都道府県で発効しました。10 月中の発効は計 37 都道府県、11 月発効は計7府県、12 月は2日の沖縄を最後に3県で発効し、年内にすべての都道府県で発効されます。引き上げ額は 54 円~ 65 円で、目安額を上回る答申が 33 府県あり、全国加重平均額は 1,177 円と前年度から 56 円上がりました。最も高い引き上げ額は佐賀(改定額 1,095 円)の 65 円で、目安額を9円上回りました。目安額を上回る改定が目立ったのは、制度上Cランクに分類される県で、長崎を除く 12 県で目安額を上回っています。その結果、最高額は東京都の 1,280 円、最低額は宮崎県の 1,085 円で、最高額に対する最低額の比率は 84.8 %となり、地域間格差は前年度(83.4 %)から改善しました。