<年金・介護>
●令和7年度年金額は 1.9 %のプラス改定
 厚生労働省は1月 24 日、令和7年度の年金額について、前年度から 1.9 %のプラス改定と公表しました。改定率の指標となる物価変動率は+ 2.7 %、名目手取り賃金変動率は+ 2.3 %、マクロ経済スライド調整率は▲ 0.4 %となり、令和7年度は物価変動率が賃金変動率を上回るため、新規裁定・既裁定者ともに賃金変動率(2.3 %)をもとに改定しました。▲ 0.4 %分を調整して+ 1.9 %とします。

●企業規模要件撤廃は 10 年かけて実施ー厚労省案
 厚生労働省は1月 29 日、次期年金制度改革案を自民党に示しました。社会保障審議会年金部会で提言された被用者保険の適用拡大に係る企業規模要件の撤廃については、事業者への配慮から 10 年をかけて段階的に実施していくスケジュール案を提示しました。現行の 50 人超から令和9年 10 月に 35 人超、令和 11 年 10 月に 20 人超、令和 14 年 10 月に 10 人超とし、令和 17 年 10 月に撤廃します。また、5人以上規模の個人事業所の非適用業種の解消は令和 11 年 10 月以降の新規事業所を対象に適用し、既存事業所は当分の間、適用しない案を示しました。月額 8.8 万円の賃金要件は公布日から3年以内に廃止します。
 
●訪問介護事業所の4割以上で収益減
 福祉医療機構は昨年 12 月 27 日、令和6年度介護報酬改定のアンケート調査結果を公表しました。令和6年度介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた訪問介護を行う事業所にサービス活動収益について尋ねたところ、4割以上(42.6 %)が減少したと答えました。横ばいが 39.7 %、増加が 17.7 %でした。他の介護保険サービスの回答割合と比較すると、減少は最も多く、増加は介護医療院に次いで少ない結果でした。調査は令和6年7月 19 日~8月 20 日に web で実施、1,673 法人が回答しました。
 
<統計・その他>
●最も多いトラブルは入国費用、100 万円以上も
 厚生労働省は昨年 12 月 26 日、令和5年外国人雇用実態調査結果を公表した。その労働者調査によると、就労上のトラブルを経験した者のうち、最も多いトラブルは「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」(19.6 %)であることがわかりました。入国までの費用を見ると、20 円万円未満(19.2 %)、20 万円以上 40 万円未満(23.0 %)と 40 万円未満が全体の約4割を占める一方で、80 万円以上 100 万円未満(14.3 %)、100 万円以上(13.2 %)と高額なケースも一定割合見られました。調査は令和5年9月末の状況について外国人労働者1万 1,629 人の回答を集計しました。
 
●スポットワーク半数弱がトラブル経験ー連合調査
 連合は1月 23 日、短期間や単発の仕事を受発注する「スポットワーク」に関する調査結果を公表しました。それによると、半数弱の 48.6 %がスポットワークで働いている際にトラブルを「経験した」と回答しました。その内容は「仕事内容が求人情報を違った」(19.2 %)が最も多く「業務に関して十分な指示や教育がなかった」(17.7 %)が続きました。労働条件通知書の交付の有無については「どの就業先でも交付された」(30.9 %)、「いくつかの就業先では交付されたが、交付されない就業先もあった」(31.0 %)、「交付されたことはない」(14.0 %)となりました。調査は昨年 12 月にインターネットで実施、1,000 人から回答を得ました。