厚生労働省は昨年 12 月 17 日、令和6年度上期の労働保険に係るオンライン利用率を公表しました。労働保険料の申告(継続事業)は 27.4 %となり、前年度(23.0 %)から上昇しました。同じく一括有期事業の申告も 22.7 %と前年度(19.3 %)から上昇しました。他の労働保険関係手続とともに令和8年度末までにオンライン利用率を 30 %まで引き上げることを目標とします。同省によると、令和6年度から申請方法等に関する説明を労働保険事務組合や社労士事務所に実施したほか、オンライン申請の利便性等に関する記事を『月刊社労士』に掲載したこと等が利用率の上昇に寄与したと言われています。
厚生労働省は1月1日、労働者死傷病報告の報告事項を改正し、電子申請を義務化しました。労働者死傷病報告は、労働者が労働災害等により死亡または休業したときに労働基準監督署に提出する書類、報告事項は、自由記載であった傷病名及び傷病部位などをコードから選択できるようにしたほか、災害発生状況及び原因について場所や作業など5つの留意事項から記入を求めます。略図は手書きではなくイラストまたは写真等を貼り付けます。また当分の間の経過措置として、電子申請が困難な場合に書面による報告も求めます。
●今後の障害者雇用で厚労省の研究会が初会合
厚生労働省は昨年 12 月2日、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の初会合を開きました。障害者雇用は、21 年連続で雇用者数が過去最高を更新するなど着実に進展しているものの、職場への定着や、障害者手帳を所持していない精神障害者等に対する雇用率制度上の取扱いなど、課題も指摘されています。さらに令和8年7月には障害者雇用率を 2.7 %(民間企業)まで引き上げることが予定されていて、いまだ障害者雇用がゼロの企業に対する支援等も課題です。同省は、令和7年中に報告書を取りまとめる方針です。
●再取得まで7年経過しても同一の被保険者番号に
厚生労働省は昨年 12 月4日、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案の意見募集を開始しました。離職等により被保険者資格を喪失後に、再就職等により再取得する場合、資格取得届には直近で取得していた帆保険者番号を記入するのが原則ですが、再取得までの期間が7年以上経過していた場合は、例外的に新規の資格取得者として資格取得届を提出させ、新たな被保険者番号を付与していました。今般、ハローワークの業務システムの整備により、過去の被保険者番号を確認できるようになったことから、省令を改正し、例外規定を削除。令和7年1月中旬に公布し、公布日から施行します。
●育休等の業務代替手当、社労士委託で助成拡充
厚生労働省は、両立支援等助成金の育休中等業務代替支援コースを拡充しました。昨年 12 月 17 日に成立した令和6年度補正予算に伴う措置となります。同コースは、被保険者が育児休業または育児短時間勤務を利用する場合に、期間中に業務を代替する労働者への手当支給等をした中小企業事業主に助成するものです。同日からは、業務を代替した労働者に対する手当支給に関して、社労士に委託して就業規則等に規定すること等を要件に 20 万円を助成します。
●能登半島地震・豪雨災害で令和7年も特別措置
厚生労働省は昨年 12 月 17 日、令和6年能登半島地震・豪雨に係る雇用調整助成金の特別措置を実施しました。昨年1月より実施している特例措置は 12 月末に終了しますが、地震から1年も経たずに豪雨災害が重なったことなどを踏まえ、令和7年に1年間、これまでの特例を継続します。対象はハローワーク七尾・輪島管内の事業主です。他方、在籍型出向による雇用維持を図る事業主には、出向元・出向先の双方の事業主を助成する産業雇用安定助成金災害特例人材確保支援コースを創設しました。