●事業主の証明は人事担当者の氏名等の記載で可
 厚生労働省は昨年 12 月 25 日、年収の壁・支援強化パッケージとして実施される社会保険適用促進手当と事業主の証明による被扶養者認定の Q&A を更新しました。社会保険適用促進手当は、標準報酬月額等の算定に考慮されないため、在職老齢年金による支給停止額の算定や傷病手当金との調整対象となる報酬に含まれないことを明確化しています。事業主の証明による被扶養認定に関しては、例えば複数の店舗があり店舗ごとに人事管理を行っている場合など、企業の組織形態によって事業主の氏名等の記載が困難な場合は、人事労務管理を担当している部署の責任者の氏名等の記載で事業主の証明になることを示しました。
 
●第1号被保険者の育児の保険料免除は休業要件なし
 厚生労働省は昨年 12 月 26 日、社会保障審議会年金部会を開催し、国民年金の第1号被保険者に対する育児期間の保険料免除の制度案を示しました。第1号被保険者の多様な実態を踏まえ、1歳になるまでの子を養育する父母すべてを対象とし、その期間における就業の有無や所得の状況は免除の要件としません。産前産後期間の免除(4ヵ月)が適用される実母は、同期間に引き続く9ヵ月を免除の対象とします。免除期間中は、満額の基礎年金を保障する。既存の保険料免除とは異なり、必ずしも所得の減少を生じない者も含めて広く支援対象とすることから、財源は保険料ではなく支援金制度を活用します。同省は、国民年金法を改正し、令和8年度中に実施する方針です。