●7割が人手不足の回答、育児との両立でも課題に
 日本商工会議所は9月 28 日、人手不足の状況及び多様な人材の活躍等に関する調査結果を公表しました。それによると、人手不足と回答した中小企業が約7割(68.0 %)に及び、2015 年の調査以降、最大になることがわかりました。人材確保の取り組みは「賃上げの実施・募集賃金の引き上げ」が72.5 %と最も多く、「ワークライフバランスの推進」が 38.1 %で続きました。他方、仕事と育児の両立推進は8割以上(84.1 %)が必要性を感じていると回答する一方で、その約半数が十分取り組めていないと回答しました。取り組みの課題は「人手不足のため、子育て中の社員の仕事のカバーが難しい」が 44.2 %を占めました。調査は 2023 年7月に実施し、中小企業 3,120 社の回答を得ました。
 
●DXに取り組む中小企業3割超―ー中小機構調査
 中小企業基盤整備機構は 10 月 10 日、2023 年中小企業のDX推進に関する調査結果を公表しました。それによると、DXに取り組んでいる(検討含む)と回答した中小企業は 31.2 %となり、前年調査( 24.8 %)から 6.4 ポイント上昇しました。具体的な取り組み内容としては「文書の電子化・ペーパーレス化」が 64.4 %、「営業活動・会議のオンライン化」が 47.1 %と多く、特に文書の電子化等は前年調査(37.5 %)を 26.9 ポイント上回りました。一方で、DXに取り組む予定がない中小企業も4割弱(37.2 %)に及びました。調査は 23 年7月に中小企業 1,000 社に実施しました。
 
●人手不足対応や副業・兼業の規制改革を検討
 政府は 10 月 16 日、規制改革推進会議を再開し、規制改革の重要課題を提示しました。令和6年夏を目途に必要な規制・制度改革に向けた答申をまとめます。緊急に対応する課題として、医療・介護などの分野の人手不足に対応し、オンライン制度の拡大や医療・介護従事者の常勤・専任規制の見直しなどを検討します。一方、当面の重要課題としては、良質な雇用の確保などを提示。デジタル人材を中心とする副業・兼業の円滑化、本人の意思や世帯の事情(介護等)に応じた柔軟な働き方、自爆営業(未達ノルマを従業員が買取り)への課題などの対策を検討していきます。