<労働基準>
●医師等の精神障害事案が増加傾向ー過労死白書
 厚生労働省は 10 月 11 日、令和6年版過労死等防止対策白書を公表しました。白書は、過労死等防止対策大綱で重点業種とされた医師・看護師について平成22 年度から令和2年度まで 11 年間の過労死等の労災支給決定事案(精神障害事案)を分析しました。それによると、医師の精神障害の労災支給決定件数は平成 22 年度から 27 年度の6年間で 10 件、28 年度から令和2年度までの5年間で 21 件となり、増加傾向にあることがわかりました。看護師も平成 22 年度から 10 年間は 10~ 20 件前後で推移していましたが、令和2年に 42 件と急増しています。発症年齢別では、医師・看護師とともに 30 歳代が多い結果でした。
 
●全国に労基署に「労働者性」相談窓口を設置
 厚生労働省は 11 月1日、フリーランス法の施行とともに、労働者性に疑義があるフリーランス向けの相談窓口を全国の労働基準監督署に設置しました。相談内容から労働基準法等の違反が疑われる場合は、労基署において調査し、労働者に当たるかどうかの判断を行います。労働者性の判断を簡易に確認できる自己判断チェックリストに作成し、活用を促します。近年は副業・兼業、ギグワークなど、多様な働き方が拡大しており、フリーランスとして契約しながら実態は労働者として働く者の労働環境整備に関する対応の強化が求められていました。