●医療・介護同時改定に向けて社保審が論点を確認
 厚生労働省は5月 24 日、社会保障審議会介護給付費分科会を開き、令和6年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて論点を確認しました。年内に議論をとりまとめ、令和6年1月を目途に介護報酬改定を答申する見通しです。主な論点となるのは、サービスごとの個別論点に加えて、介護人材に確保と介護現場の生産性向上、制度の安定性・持続可能性の確保などです。介護現場において腰痛などの労働災害が多く発生している現状を踏まえ、介護現場の安全性の確保やリスクマネジメント推進なども論点に挙がりました。
 
●被用者保険の適用拡大で年金部会が審議開始
 厚生労働省は5月 30 日、社保審年金部会を開催し、次の年金制度改正に向け検討事項を整理しました。令和6年夏に予定される財政検証を踏まえ、同年末までに議論をまとめます。検討事項には被用者保険の適用拡大や第3号被保険者制度、障害年金、遺族年金、加給年金、基礎年金の拠出期間延長、在職老齢年金などが挙がりました。この日は被用者保険の適用拡大が審議され、企業規模要件の撤廃等に向けて意見が交わされました。主な論点となったのが、企業の社会保険料負担増と手取り収入減を嫌う短時間労働者の就業調整への対応です。委員からは新たな適用者に対して企業の保険料負担のみを求める案などが示されました。