<労働>
労働者死傷病報告等の電子申請を原則義務化へ
 厚生労働省の労働政策審議会安全衛生分科会は5月 16 日、労働者死傷病報告等の電子申請を原則義務化する「しん肺法施行規則等の一部を改正する省令案」を妥当と認め、労政審の答申をしました。令和7年1月1日から施行されます。同省は原則義務化に伴い、スマートフォン等からも電子申請が可能になるシステム改修など、電子申請による報告の利便性を高める方針です。当分の間、紙媒体での報告を認める経過措置も設けます。あわせて労働者死傷病報告の報告内容も見直します。休業4日以上の報告では災害発生状況及び原因欄を5つに分割し、災害の発生場所、作業、環境、状態など記載の留意事項を報告しやすくします。
 
●令和4年の労働災害は死傷者数が過去 20 年で最多
 厚生労働省は5月 23 日、令和4年の労働災害発生状況を公表しました。労働災害による死亡者数は、新型コロナの罹患を除き前年比4人減の 774 人で過去最少です。休業4日以上の死傷者数は同 1,769 人増の 13 万 2,355 人となり、過去 20 年で最多となりました。死傷者数は陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設、飲食店で増加傾向にあり、事故の型別では「転倒」や腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が全体の約4割を占めます。年齢別では 60 歳以上が全死傷者数の約4分の1を占めていて、対策が急務とされました。
 
●令和4年度の実質賃金は前年度から 1.8 %減少
 厚生労働省が5月 23 日に公表した毎月勤労統計調査の令和4年度分結果確報によると、令和4年度の実質賃金は、前年度から 1.8 %減少したことがわかりました。現金給与総額は前年度から 1.9 %増えて 32 万 6,308 円となったものの、消費者物価指数が前年度から 3.8 %増となり、賃金の引き上げ分を上回りました。実質賃金がマイナスになるのは令和2年度( 1.1 %減)以来、2年ぶりです。就業形態別に現金給与総額を見ると、一般労働者は同 2.3 %増の 43 万 392 円、パートタイム労働者は同 2.8 %増の 10 万 2,791 円です。物価指数を考慮した実質賃金は一般労働者が同 1.4 %減、パートタイム労働者が同 0.9 %減でした。