●介護現場から他業種への転職が増加
 全国介護事業者連盟は5月8日、介護現場における賃上げ・物価高騰・離職等の状況調査の結果を発表しました。離職状況について見ると、令和7年1~3月の月平均の離職者数が 4,174 人(対前年比 629 人増・17.7 %増)で、そのうち医療・介護・福祉業界への転職数は月平均で 216 人(同 65 人増・ 43 %増)と、離職や他業種への転職が増加していることがわかりました。賃上げ状況は、令和7年度の正社員の賃上げ率が 2.15 %と、今年の春闘の全産業平均 5.37 %を 3.22 ポイント下回りました。令和6年度の全産業平均との差が 2.07 ポイントであったので、差が拡大していました。調査は4月9日~ 25 日に実施されました。回答数は1万 1,203 事業所です。
 
●出産費用の自己負担無償化へ制度設計進める
 厚生労働省の妊娠・出産・産後における妊娠婦等の支援策等に関する検討会が5月 14 日、取りまとめを公表しました。令和8年度を目途に標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進める方針を示しました。一方で、標準的な出産費用の「標準」とは何かの具体的な整理は今後の検討課題としました。さらに、希望に応じた出産を行うことのできる環境整備についても進めるとしました。現状では、出産に関わるサービスを妊婦が取捨選択できず、費用についても不明確との指摘を踏まえ、妊婦が十分な情報に基づき、自己決定を行える環境整備を推進します。また、希望する妊婦が安全な無痛分娩を選択できる環境を整備していく方針です。
 
●高額療養費制度の在り方の専門委が初会合
 厚生労働省は5月 26 日、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の初会合を開きました。政府は当初、高額療養費制度の自己負担限度額を引き上げる方針を示していましたが、患者団体の反対を受けて石破首相が凍結を表明しました。今秋を目途に改めて検討する方針を示していました。専門委では患者団体や保険者団体等にヒアリングを行いながら、高額療養費制度の在り方を集中的に審議します。