●年金制度改正法案に基礎年金底上げ盛り込まず 厚生労働省は4月 17 日、次期年金制度改革の柱の1つだった基礎年金の底上げを図るマクロ経済スライドの早期終了(調整機関の一致)について、法案に盛り込まず見送る方針を確認しました。自民党がこれまで実施したヒアリングにおいて、慎重な意見が出されたこと等を踏まえました。報酬比例部分(厚生年金)に対するマクロ経済スライドの調整は 2026 年度に終了する見通しですが、今後の社会経済情勢を見極めて改めて検討するため、厚生年金受給者に不利にならないよう配慮措置を講じた上で、次期財政検証の翌年度まで継続する方針も示しました。 ●健康保険組合の令和7年度平均保険料率は 9.34 % 健保連は4月 23 日、令和7年度健康保険組合予算早期集計結果を公表しました。それによると、1.372 組合の平均保険料率は 9.34 %となり、前年度から 0.03 ポイント増加したことがわかりました。令和7年度予算の経常収支差引額は 3,782 億円の赤字の見通しです。賃上げ等の影響で保険料収入が伸びましたが、保険給付費や高齢者等拠出金は増加していて、約8割の 1,043 組合が赤字となります。 ●公的年金シミュレーターに iDeCo 試算等を追加へ 厚生労働省は4月 23 日の年金広報検討会において、公的年金シミュレーターに加える新機能の案などを報告しました。将来受け取れる公的年金の見込額を簡易的に試算できる「公的年金シミュレーター」は、現行の運用が令和7年度末で終了することから、令和8年4月から運用を始める次期シミュレーターの開発を進めていきます。次期シミュレーターの機能としては、現行の老齢年金の試算に改良を加えるほか、障害年金の試算機能、iDeCo の試算機能の追加を検討しています。 |