<労働基準>
●職場における熱中症、死傷者数が過去最多
 厚生労働省は5月 30 日、令和6年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況を発表しました。職場の熱中症による死傷者数(死亡及び休業4日以上)は 1,257 人前年から 151 人・14 %増加し、統計を取り始めた 2005 年以降最多となっています。死亡者数は 31 人で、3年連続で 30 人以上となりました。業種別に死傷者数を見ると、製造業 235 人、建設業 228 人、運送業 186 人の順で続いていて、約4割が製造業と建設業で発生していました。令和2年以降の5年間で、熱中症による死傷者数は建設業と製造業の2業種で多く発生していて、いずれの年も2業種の死傷者数が全体の約4割を占める結果となりました。
 
●過労死等の請求が 4,800 件を超えて過去最多
 厚生労働省は6月 25 日、令和6年度の過労死等の労災補償状況を公表しました。過労死等の請求件数は 4,810 件(前年比 212 件増)、支給決定件数は 1,304 件(同 196 件増)でともに過去最多です。このうち死亡・自殺(未遂を含む)件数は 21 件増の 159 件でした。過労死等のうち脳・心臓疾患の請求件数は 1,030 件(同7件増)、支給決定件数は 241 件(同 25 件増)です。一方、精神障害の請求件数は 1,055 件(172 件増)で同様に過去最多です。発病に関与したと考えられる出来事別の支給決定件数は「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」の 224 件が最も多い結果となりました。